広島菜は「広島菜漬」という漬物になって賞味されており、信州の「野沢菜漬」、九州の「高菜漬」とならんで、日本三大菜漬とされています。

●広島菜漬

日本三大菜漬の一つ広島菜漬は主に広島市の周辺で栽培されており、生産量は少ないのですが大尸うまい漬物です。野沢菜が高さ1mにもなる細長い葉茎なのに対して白菜状の平茎というやや茎の硬い幅広い漬菜です。普通、8月播き11月収穫の作型で収穫後水洗し塩漬にします。さらに2度漬工程を経て塩度3〜4%程度に漬上げます。

広島菜漬は冷凍保存が利くために、漬あがった菜に調味液を加えて密封しこれをマイナス30度で冷凍してしまいます。野沢菜漬の産地移動、4回の冷却工程の代わりに広島菜漬は冷凍で美しい緑色を保つのです。広島菜漬の持つ弱い辛味が絶妙で日本一の菜漬といわれています。美味しい食べ方としては食物繊維が2.7%と野沢菜漬の2.2%より高く硬いので2pに切って食べると広島菜の持ち味がでます。

●野沢菜漬

日本三大菜漬の中で最もポピュラーで約5万t程度の出荷量があるといわれております

産地は全国に広がっており、長野で10月、11月と収穫したあと12月、1月は徳島、2月は静岡、3、4、5月は山梨、長野のトンネル栽培、6月は茨城、7、8、9月は長野の八ヶ岳中腹、戸隠など経度と高さを利用した産地移動をするのです。野沢菜漬は2.2%という少ない食物繊維による軟らかい水持ちの良い茎をたのしむため長さ4pに切って食べます。叩くように細刻すると持ち味がなくなります。野沢菜漬の食塩は約2%程度で野沢菜の持つおとなしい風味と混ざりあった茎の中の液を口の中で楽しむことが出来ます。

●高菜漬

日本三大菜漬の1つ高菜漬は明治年間に中国から奈良農試に種子が入り、その後福岡県瀬高町、和歌山県新宮市、山形県内陸部等で主に栽培されています。広島菜漬と同様にふくろ詰めして冷凍された新高菜漬の人気が上がっていますが、量的に多いのはべっ甲色になり特有のかおりを持った古高菜漬です。山形では青菜(セイサイ)と呼ばれ9月上旬播きの11月中旬収穫になっています。瀬高では10月上旬苗床播き、12月上旬定植、4月上旬収穫の春型栽培です。古高菜漬は瀬高で主としてつくられて青菜に紫高菜の血の入った優秀種の三池高菜を使っています。高菜漬は食物繊維が4%あり、古高菜漬は刻んで御飯のおかずにしたり、ラーメンの具、また油炒めにして惣菜売場に並ぶなど利用方法があります。